Dec.23/2019
#11002 TRON

2003年にデビューし、2005年には消滅したTRON(トロン)というカバーオールジャケットを紹介したいと思います。

 

これは、2003年に出たオリジナルの#11002 TRON。セットイン・スリーブ、#1102を3ポケットにしたようなデザイン、そして#1102とはまた違った変則的なブラックとホワイトのステッチ使いがまずは目につきます。フロントボタンも4つと少なめですね。

特徴的なのが、台襟と一体化したチンスト付きの襟。チンストは、#1101のようなアロー型になっています。キーホールが一つ、ボタンが2個という仕様。

見えにくいですが、右胸には内ポケットが付けられています。

2003年秋冬デビュー時の展示会用カタログになります。

グレーキャンバスのもの。微妙にフレンチな色合いのブルーグレー色ですね。

ステッチは、ブラックとダークカーキを使い分けています。

そして、ブラックキャンバス。グレーキャンバスと同じステッチングです。

その次のシーズンである、2004年春夏のカタログ。ステッチがオールブラック?に変更されたようで、ぱっと見はシンプルな方向へシフトしました。

2004年秋冬には、ライニング付きのバージョンも出たようです。

そして2005年には、なぜか品番を変更して#1153 TRON-Rになり、結果的には最終形となりました。

ラベルが淡いグリーン地のものに変更されています。これは、同時期の他のモデル同様に変更されたのだと思います。

3ポケット+内ポケットというレイアウトは同一…でも、何かが違う…そう、胸ポケットが変わっています。

懐中時計用の胸ポケットは、ラベル無しで形は#1101のものに似ています…というか同一?ステッチはカタログではODになっていますが、この個体はオールブラックです。引き算によって、シンプルな方向を目指したようですね。

下ポケットは、生地が横使いに変更されています。これは足し算?

カフスは#11002同様、裏から帯をあてたシンプルな作り。この仕様は、最近でもMATTALINIや DEE HUNTER、OK Rider 2など数多くのジャケットに採用されていますが、もしかするとTRONが最初かもしれません。

これが、2005年当時のカタログになります。結果的には、(#1101+#1102+α)÷3という感じでしょうか。

そして、2005年を最後にTRONは姿を消しています。今でも覚えていますが、TRONの開発時は#1102を超える新しいカバーオールを生み出すべく、様々な試行錯誤を繰り返していました。#1102にもう一つ0を足した#11002という意図的な品番には、当時の意気込みが感じられます。毎週末、工場に行ってはパターン製作とサンプル作りを繰り返し…その頃はブランドを始めて約10年、色々な意味での軌道修正を計ろうとしており、ラインナップの見直しも含めた、新型の開発に没頭していました。その後、2004年に気持ちも新たにロンドンの展示会に出展したことを覚えています。以下がその展示会のラインシートです。

思いっきり絞り込んだ内容…カバーオールは、#1102と TRONの2型。#12001 POST SHIRTというのは、どういうシャツか覚えていませんが…やはりTRON同様、先発の#1201を超えるようなシャツを開発したのでしょうか?#1205はガチャポケのプルオーバー…デビュー当時と同じく、シャツはプルオーバーのみの構成というのも意味深ですね…。

そして2005年くらいから、今につながる新しいPost O’Allsへと変貌していったんですね。(オオフチ)

P.S.  #11002  TRONは、少量ですがONLINE STOREにアップしました。